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よく練られた良書——『君に友だちはいらない』——の読後感

今晩和。 正直、爽快です。 一気に読んでしまいました。 瀧本 哲史 著『君に友だちはいらない』です。 2013 年の刊行になります。 https://amzn.to/2QNusRn いわゆる青少年向け啓蒙書と認識しています。 現代の軍師による戦略指南、と言えばよろしいか。 きわめて平易です。 スゴく、よく練られてもいます。 わたしはちょっと不遇の人生を送ってきました。 「最初の仕事」で過労になりドロップ・アウトしたのです。 そのタスクは『国際学会の上映会に中国の山水画を 3DCG アニメ化して入選させる』というものでした。まるっきりの新人であった私は、朝 10 時にタイム・カードを押し、夜中の 3, 4 時にタクシーで帰宅する、という当時のテレヴィ局ではありふれた仕事の仕方で、その短編作品の制作を下から支えました。上司は強制休暇月間、先輩は異分野から転籍の素人、という条件のもとで、必死でやったのです。 そして、作品は上映会に入選しました。 でも、プロトタイピングや小実験をろくに行わないような、「見た目が良ければ良い」という世迷い言をくりかえされて、わたしは過労で倒れ、そのままドロップ・アウトし、おかげで職をいくらか転々として流浪するような人生を送ってきました。 その過程で、さまざまな人に出逢ってきました。 特に、とある古いバーに二十年以上も出入りしているのが効いています。 いろんな業界の、いろんな人々とすれ違い、そのお話に耳を傾けてきました。 病を得て、かなり苦しんでいた時期が長いのも御存知の方は御存知ですが、それからもずいぶんと回復基調にあります。 本書の中で、ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへ、と昔の社会科の授業がなつかしくなるようなキーワードが最終章に出てきます。自分はこの、ゲゼルシャフトに相当するようなグループにいくつか参加をはじめて、いくらか経ちます。 本業もあるので、なかなか時間を捻出できませんが、勿論念頭にあるのは『仲間探し』と『冒険』です。 もう、老境に差し掛かった小生でも、かたわらから支えるようなことはできるだろう、と。 どうも国際的に経済がアヤシい雲行きです。 5 年 10 年はまた不況に喘ぐのかも知れません。 そこで、すこしでも仲間を増やして支え合うようなコミットメントを

恐るべき凋落

今晩和。 とある界隈では有名な、大庭亀夫氏のブログに『満州という原泉』なる記事がアップされました。 https://gamayauber1001.wordpress.com/2018/12/04/manchuria/ ここで気になるのが次の引用です。 “しかもしかも、日本の経済は戦後最長の空前の好景気を続けながら市場の実質は縮退をつづけて、例えば株式市場でいえば、8%くらいのところにまでちぢんで来ているはずで、このことには実は重大な意味があって、以前ならば日本の経済あるいは財政が崩壊するなんてとんでもないことで、そんなことをされると、世界中が巻き込まれて大変な惨劇になってしまう。” 何を?と思ったので、いつものように『世界銀行』のデータでチェックしてみました。 そうすると、将に大庭氏の言うとおりだったのです。 これは実質的に 1975 年から現代(2015 年)までの、『世界の株式市場取引高』国別推移です。 ここでは 2017 年度と範囲外になっていますが、次のページのランキング上位 4 ヵ国を抜き出して、推移を比較してます。 https://www.globalnote.jp/post-12184.html こうして比較してみると、米国がアップ・ダウンがありながらも順調に成長しているのに対して、中国が猛追を仕掛けています。そこで低迷を続けて居るのが日英の2 ヵ国。ちょっと電卓を叩いてみると、2017 年度で、日本のマーケット・プレゼンスは約 8 %まで凋落しています。 先程の大庭氏ブログに戻って引用を続けると、 “ところが、いまくらいの大きさの経済にまで総体として小さくなってくれると、「条件によっては、なんとかなるかな?」というところまで来ている。 しかも例えば国債の買い手を見ればわかるが、日本の経済は、そういう言い方をすれば極めて特殊で、本来、国の経済を破壊する方向へ働くプレッシャーが、個々の国民の生活を破壊する方向へ自動的に転換されるように出来ている。 国がデフォルトになる前に、国民個々の生活がデフォルトになるなんて、冗談じみているが、日本という国にあっては現実なんです。” わたしは兼ねてから危機を予想していましたが、このようなかたちで怖れていた危機が顕在化していたことに率直に驚いています